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なぜ業務フローを自動化するのか? 人を増やすだけでは解決しない理由

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なぜ業務フローを自動化するのか? 人を増やすだけでは解決しない理由

業務効率化というと、「3時間かかっていた作業を1時間にする」「毎月50時間の作業を減らす」といった、時間をどれだけ減らせたかに目が向きがちです。もちろん、同じ仕事を短い時間で終えられるようになるのは大切です。

ただ、業務フローを自動化する理由は、それだけではありません。

人が手作業で進めている仕事は、仕事が増えるほど必要な人も増えやすくなります。また、長く担当している人しか分からないやり方が少しずつ増えていくこともあります。

会社が成長して仕事の量が増えたとき、そのたびに「忙しくなったから人を増やそう」で対応し続けられるでしょうか。業務フローの自動化を考えるときは、何時間減らせるかだけではなく、仕事が増えても今のやり方で回せるか、担当する人が変わっても同じように進められるか、という見方も大切です。

仕事が増えるたびに人を増やすのか

例えば、取引先から届いた注文書を確認して、内容をExcelへ入力し、そのあと基幹システムへ登録する仕事があるとします。1件5分で、1日50件なら250分です。このくらいであれば、一人でも対応できるかもしれません。

ただ、取引が増えて100件になれば500分、200件なら1,000分かかります。そこでまず考えやすいのが、人を増やすことです。仕事が2倍になったので担当を2人にする。さらに増えたら3人、4人と増やしていく。ごく自然な考え方です。

ただし、このやり方では、売上や取引が増えるたびに、事務作業をする人も増えていきます。

しかも、人を一人増やせば、その人が次の日から同じ速さ、同じやり方で仕事をできるわけではありません。仕事の内容を教え、実際にやってもらい、間違いがあれば確認しながら覚えてもらう必要があります。

人がやることを前提にした仕事は、人を2倍にすればそのまま2倍こなせる、というほど単純ではありません。

会社が成長するほど事務作業をする人も増え続けるのであれば、どこかで人を増やす以外のやり方も考える必要があります。

人が増えると、仕事のやり方も揃えにくくなる

人がやっている仕事では、かかる時間だけではなく、「誰がやっても同じようにできるか」も問題になります。

実際の仕事は、書いてある内容をそのまま別の場所へ入力するだけとは限りません。取引先によって商品コードの扱いが違ったり、注文書の形によって見る場所が変わったり、少し違う会社名の表記を同じ会社として扱ったりと、仕事を続ける中で覚えた細かな判断が入っていることがあります。

長く担当している人にとっては、こうした判断もいつもの仕事の一部です。ところが、新しく担当する人からすると、そう簡単ではありません。

マニュアルには「注文書の内容をシステムへ入力する」と書いてあっても、実際にはその前後で細かな判断を何度もしていることがあります。

すると、担当する人によってやり方が少しずつ違ったり、分からないことがあるたびに、詳しい人へ確認が集まったりします。一人でやっている間は特に困っていなかった仕事でも、人を増やした途端に「実はこの人しか分かっていなかった」ということが見えてくることがあります。

人を増やすときに必要なのは、人件費だけではありません。その人に仕事のやり方を覚えてもらう時間も必要になります。

自動化は、仕事のやり方を仕組みにすることでもある

こう考えると、業務フローを自動化する意味も少し違って見えてきます。

自動化というと、人が10分かけていた仕事をシステムなら1分で終わらせられる、といった速さの話になりがちです。ただ、それと同じくらい大切なのが、誰が担当しても同じやり方で処理できる状態を作ることです。

例えば、毎月いくつかのExcelから必要なデータを取り出し、商品コードをマスタと照らし合わせながら表記を揃えて、一つのファイルにまとめているとします。

これを人が毎月やっているのであれば、担当が変わるたびに、どのデータを使うのか、どの表記に合わせるのか、どのマスタを見るのかを教える必要があります。

一方で、その流れ自体を仕組みにできれば、担当する人が変わっても同じ手順で進めやすくなります。

自動化は、人の代わりにクリックしたり入力したりすることだけではありません。これまで担当者が覚えていた仕事のやり方を、何度でも同じように動かせる形にすることでもあります。

AIによって自動化できる仕事が広がっている

これまで、仕事のすべてを仕組みにするのが難しかった理由の一つは、途中で人が内容を読んだり、意味を考えたりする場面があったからです。

従来は、細かなルールを先に決める必要があった

従来のプログラムやRPAは、やることがはっきり決まっている仕事を自動化するのが得意でした。決まったセルの値を別のシステムへ入力したり、条件に合うデータだけを取り出したりするような処理です。

ただ、実際の仕事で扱う情報は、毎回同じ形で届くとは限りません。請求書や注文書は取引先ごとに形が違いますし、Excelも列の名前や並び順が少しずつ違うことがあります。メールで届く依頼なら、文章の書き方も毎回変わります。

こうした仕事を従来の方法で自動化しようとすると、「この列名だったらこの項目として扱う」「この場所にある数字を金額として使う」といったルールを、一つずつ決める必要がありました。

扱う形式が増えるほどルールも増えますし、ファイルの形が少し変わるだけで修正が必要になることもあります。

そのため、決まった形の仕事は自動化できても、途中で人が内容を読んで考える仕事になると、一気に難しくなっていました。

AIは、形だけでなく内容も見て処理できる

生成AIによって大きく変わったのは、決められた位置や文字だけではなく、書かれている内容を見ながら処理できるようになったことです。

請求書の形が違っていても、どこに請求金額や取引先名が書かれているかを読み取ったり、列名が違うExcel同士でも、それぞれの列が何を表しているのかを見ながら揃えたりできるようになってきました。メールについても、決まったキーワードがあるかどうかだけではなく、文章全体を読んで、どのような問い合わせなのかを判断できます。

つまり、これまで人が行っていた「これは何を意味しているのか」を考える部分まで、ある程度システムに任せられるようになってきたということです。

その結果、以前なら「ここは人が読むしかない」と考えていた仕事も、自動化できるかもしれない仕事として見られるようになっています。

もちろん、AIに何でも任せればいいわけではありません。金額や契約内容のように、間違ったときの影響が大きいところは人が確認した方がよい場合があります。また、件数や列数のチェックのように、普通のプログラムで確実に確認できるものまでAIに任せる必要はありません。

AIに任せるところ、人が確認するところ、普通のプログラムで処理するところを分けながら、今まで人がやっていた仕事のどこまでを仕組みにできるか考えていくことが大切です。

どの仕事から自動化するか

業務フローの自動化というと、会社中の仕事をすべて調べて、大きなシステムを作るような話に聞こえるかもしれません。ただ、最初からすべてを自動化する必要はありません。

まず見てみたいのは、仕事が増えたときに困りそうなものです。

今は一人で対応できているけれど、件数が2倍になったら人を増やさないと回らない。担当者が休むと、代わりの人ではなかなか対応できない。新しい人が入るたびに、同じ仕事を一から時間をかけて教えている。

こうした仕事であれば、自動化する意味は、単に数時間の作業を減らせることだけではありません。

仕事が増えても今の人数で対応しやすくなりますし、担当する人が変わっても同じやり方で進めやすくなります。その分、人はイレギュラーな対応や、最後に人が判断した方がよい仕事へ時間を使えるようになります。

業務フローを自動化する目的は、人を減らすことでも、何でもAIに任せることでもありません。

仕事が増えるたびに人を増やさなければならない状態や、「この人がいないと分からない」という仕事を少しずつ減らしていくことです。

「この仕事が2倍に増えても、今のやり方で対応できるか」「担当する人が変わっても、同じように進められるか」。

何時間減らせるかだけではなく、こうした見方で今の仕事を見直してみると、自動化した方がよい仕事も見つけやすくなるのではないでしょうか。

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Resonal編集部

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